キャノンデール 新型「SuperSix EVO」実車と試乗で感じた進化の真髄
フルモデルチェンジを果たしたキャノンデールのピュアロードバイク、「SuperSix EVO(Generation5、以下G5 EVO)」について語らせていただきます。
先日、閉幕したツール・ド・フランスは皆様はご覧になりましたでしょうか?
EFエデュケーション・イージーポストのリチャード・カラパス選手が見せた怒涛の走りは、まさに圧巻の一言でした。過酷な山岳ステージの18ステージ、20ステージと「2勝」を達成し、見事に山岳賞(マイヨ・ア・ポワ)も手にしました。
世界最高峰のステージで彼らの走りを支え、大きな成果へと導いた相棒が、新型SuperSix EVOです。
しかし、「世界の頂点で勝つためのバイク」と聞くと、「プロしか乗りこなせないスパルタンなレーシングバイクなのでは?」と思われるかもしれません。
今回は、一人の乗り手として私が実際に乗って感じたフィーリングをお届けします。SuperSix EVOが気になっている方のバイク選びの参考にして頂けると幸いです。
G5 EVO発表当初、写真で見た段階では「前作とそこまで変わっていないのかな?」と思われた方も多いかもしれません。しかし、ディーラー向け展示会で初めて実車を目にした瞬間、前作(G4 EVO)とは明らかに違うオーラを感じました。一見キープコンセプトに見えますが、細部にいたるまでアップデートが施されているのです。
1. 実車を見て驚いた、美しくなったデザイン変更
まず目を引くのが、フレーム各部のモデリングの変化です。
ダウンチューブ: 従来の角ばったデザインから、丸みを帯びて少しスリムな形状へ。
フロントフォーク: G4 EVOで見られた肩口のわずかな張り出しがなくなり、外側はスマートかつタイトなデザインにスッキリと収まりました。その一方、対応タイヤ幅30mmから32mmへとさらに広がっています。
リア・シートチューブ周り: 最も衝撃的だったのが、シートチューブのホイールハウス(後輪が収まる部分)が非常に薄く成型されている点です。




実はこの「シートチューブを薄くする」アプローチは、昨年モデルチェンジしたグラベルバイクの「トップストーン」や「SuperX」、そしてエンデュランスロードの「シナプス」にも取り入れられています。近年のキャノンデールが培ってきた設計思想が、ついにピュアロードレースバイクであるEVOにも血統として受け継がれたといえるでしょう。
さらに個人的に感動したのが、BB(ボトムブラケット)周りからリアエンドに向けて、前方からシェイプしながら流れるように伸びるシートステーとチェーンステーの美しさはG5 EVOの美しさの一つと言えます。


2. サイズ別設計と乗り心地
私自身、前作である「G4 EVO Hi-Mod」を愛車として所有していました。レースに出るわけではなく、趣味の時間を豊かに楽しむサイクリングがメインのため、「踏めば楽しく反応してくれること」と「長距離でも疲れにくいこと」を両立したHi-Modを選びました。
当時、最高峰の「LAB71」は軽さとレスポンスこそ圧倒的ですが、ロングライドでは少し脚にくるかもしれない…と思っていたのです。
しかし、今回のG5 EVOに試乗すると、進化したシートチューブ形状と、わずかにスローピング角が増したトップチューブにより、シートポストの出白(突き出し量)が多くなり、この「シートポストのしなり」と「シートチューブの薄さ」が相乗効果を生み出し、リアの乗り心地が劇的に向上していると感じました。
キャノンデールは「サイズ別設計(プロポーショナル・レスポンス)」を行なっています。 他メーカーの一部では欧米人一般男性(大きめサイズ)を基準に設計され、小さなサイズになるとフレームが硬くなり乗り心地が悪くなるケースがみられます。しかしキャノンデールは、EFプロチームの女子選手からのフィードバックも反映し、小さなサイズでも同じパフォーマンスを発揮できるよう開発しています。どのサイズを選んでも、この乗り味が約束されているのです。

3. 嫌な硬さのない剛性感と、走りの進化
もちろん、進化したのは快適性だけではありません。 踏み込んだ瞬間、BB周りの剛性感の高さを感じることができ、パワーロスすることなく綺麗にリアへと伝達されていくのが分かります。それでいて、脚に溜まるような嫌な硬さはなく、これだけ路面からの振動を綺麗にいなしてくれれば、ロングライドの後半でも確実に足を残せると感じました。
前作G4で初めて設定された最高峰グレード「LAB71」ですが、今回のG5 EVOにおけるLAB71は、キャノンデールのハイエンドの名にふさわしい「軽く、剛性高く、それでいてしなやか」な仕上がりとなっています。
4. 3つのグレード、それぞれのキャラクター
新型SuperSix EVOには、「LAB71」「Hi-Mod」「Standard Mod」の3つのグレードが用意されています。
キャノンデールの緻密な設計により、「数値上の剛性値は全てのグレードで同じ」になるよう作られていますが、使用されているカーボン素材が異なるため、実際に乗り比べるとそれぞれのキャラクター(乗り味)には明確な差が存在します。
それぞれの特徴は以下の通りです。



【LAB71:写真左】 強度と優れた反発力(弾性率)のバランスを単一の超ハイエンド素材で実現。レスポンスの良さは当然ながら、硬さの中に滑らかさやしなやかさが混ざり合う上質な乗り味が特徴です。最高峰にふさわしい仕上がりと言えます。
【Hi-Mod:写真中央】 2種類のカーボン素材を巧みに組み合わせ、上質な乗り味・軽量化・強度を高次元でバランスさせた、実戦的かつ万能なモデルです。
【Standard Mod:写真右】 複数のカーボン素材を最適に積層。剛性値は上位グレードと同等に保ちつつ、高いコストパフォーマンスと耐久性を実現しています。SuperSix EVOの魅力を最も手軽に体感できるプロダクトです。
このように、カーボン素材が違うので、それぞれのライダーの目的や予算に合わせて最適な選択ができるようになっています。お客様にとってなにがベストなのか、ぜひお気軽にご相談ください。
5. 各グレードの個性を、北摂のリアルなフィールドでご体感頂けます。
「スペックや数値は同じなのに、乗り味が違うってどういうこと?」 「自分に本当に合っているのは、どのグレードなんだろう?」
そう思った方はぜひ、お気軽に試乗して確かめてみてください!
当店では、この進化をじっくりと体感いただけるよう、「Standard-Mod」「Hi-Mod」「LAB71」の3グレードの常設試乗車をご用意しています。
当店がある大阪・池田(北摂エリア)は、自転車を走らせるのに最高の環境が整っています。 ショップのすぐ近くには、気持ちよくスピードに乗せられる平坦ルートはもちろん、しっかりとバイクの挙動を試せる山(ヒルクライムコース)も広がっています。
ただお店の周りを1周するだけの試乗ではなく、皆さんが普段走っているフィールドに近い、リアルな起伏のある環境で、新型SuperSix EVOの実力をじっくりとテストしていただけます。

※ご用意しているモデルやフレームサイズは、時期によって異なります。 「ご希望のバイクサイズ」「現在の在庫状況」等ご質問ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
平坦を駆け抜ける気持ちよさや、坂道に差し掛かったときの軽さも、下りのコーナリングも、言葉だけでは伝えきれない驚きが新型EVOには詰まっています。
北摂エリアを走ったことの無いお客様にも適切なルートをご案内しますので、ぜひお気軽にご相談いただき、ご自身でそのポテンシャルを確かめてみてください。
皆様のご来店、心よりお待ちしております。
Text:Rokuto